twilight LXXⅢ

浪越が生きた証

ギぎギ第二回単独公演「オリオンIで待ってる」

@下北沢 小劇場楽園

 

第1回の公演では宇宙がテーマで、劇場内の装飾も宇宙船をイメージしたものだったが今回のテーマは映画館。

 

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しかも少し昔の、いわゆる「単館系」の映画館が舞台で、今回も劇場に入った瞬間からその雰囲気を存分に楽しめた。

 

ネタは前回公演と同じくネタ5本をテーマとなる部分で挟む構成。

 

『柏木刑事の最期』
以前からある彼らの持ちネタ。
普段のライブと同じように4分程の長さであるはずなのにそうとは思えないくらい内容が充実してた。鑑識のくだりが好きだった。

 

『wasgame』
いわゆる「デスゲーム」がテーマのネタ。
映像の怖さと劇中の榊原さんのお茶目な部分のギャップが印象的。
欲を言えば「ワズ」要素がもう少し欲しかった。

 

『CLEAN』
黒沢清監督の「CURE」のオマージュとも言える、本公演で一番好きなネタ。
笑顔の裏に狂気が見え隠れする榊原さんの表情、彼が演技する中でも特に好きな部分だし、前半と後半で変化していく加納さんの演技も凄い。
単独だけのネタにしておくのは勿体ないと思う。

 

『エピポピト』
前回公演の「蟹男」までとは行かないだろうけど、小道具苦労しただろうなぁ。
無音の間があると不安になりがちだけど、それすらも楽しめたし、夜の部では音響さんが遊んでいたのも面白かった。

その音響さん、ことイルカアタック・タケイさんが映像にも出演。こちらも見所。

 

『鉄腕BOY』
こちらも"ニコ"時代、しかも古くからのネタ。
劇場で観たのは数年ぶりで一番古い映像は事務所ライブのこちら。7年前ですって!!
https://youtu.be/z9Khixa6hxM

 

以前観た時はやはり時間が短いから展開が早い印象だったけど、今回はのびのびとしてて(おそらく)アドリブも交えてた。
セリフが全編英語だけど分かりやすいし、後半もただ大騒ぎしてるだけでない。やっぱり名作だ感じた。
映像はこれが一番好き。

 

『オリオンIで待ってる』
プロローグでネタへの導入、そしてエピローグで登場する2人の関係性やタイトルの意味が明かされていく。
それが全て明かされた上でのラストシーンのセリフで今回も涙してしまった。

 

「友情」がテーマということだったが
「オリオンIで待ってる」だけではなく、5本のネタも友情や上司と部下、親子といった信頼関係を持った人物(宇宙人含む)のストーリーだったのもグッときた。

 

この構成だからこそなのかもしれないが、お笑いライブであるはずなのにまるで1本の短編映画をみているような感覚になったし、これで無料は本当に無茶なことをしていると思う。

 

そして公演から1週間でYouTubeに本編をまるごとアップロードしたのだ。

もちろんこちらも無料。
https://youtu.be/B1uhMIbpH8g

 

2022年7月の終わり時点ではまだまだ名実ともに売れっ子には程遠いが、今年の2本の単独をきっかけにもっといろんな人に見てほしい。

 

そう願っている。