twilight LXXⅢ

浪越が生きた証

2022.04.24 ギぎギ第一回単独公演 トワイライトVII

今回のテーマは「宇宙」ということで

会場である下北沢 小劇場楽園の入口に足を踏み入れた瞬間から場内は宇宙船の中。

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不穏な音に包まれ、開演前から公演の世界に浸かりつつあった。

 

どこか懐かしくロマンチックな音楽から公演が始まる。

購入した台本を見るとこのシーンのタイトルは「ランデブー」。

言葉的には「デート」に似たようなイメージを持つけど「宇宙船同士がドッキング」するという意味でもあることを知ってグッと来る。

 

救難信号を受けて謎の宇宙船を探索しに来る本間(榊原さん)と晴彦(加納さん)、頭のキレる晴彦に対して楽観的(原始的)な本間はまるで何かのミッションに挑むような映画(洋画)に出てきそうな主人公コンビのような印象を持ったプロローグ。

そこで見つけたのは人が滞在していた痕跡と膨大な映像などのデータ。

その中から彼らは1本の映像を再生する。

 

「百物語」

映像、特にタイトルが映し出されるシーンがもうホラー映画のそれ。

「怪談話をするテンション」と「YouTuberなテンション」の加納さんの切り替えが上手かった。

 

「ゾンビ探偵」

名探偵の独特な推理の正体は…!?

某名探偵アニメを彷彿させてからの闇落ちの映像とサスペンスの中に高校生探偵の純粋無垢さが混ざったネタ。今回唯一のアリネタではあったが、飽きずに楽しめた。

 

「クイズ王」

純愛か執念か、人生をクイズに捧げたクイズ王(加納さん)成れの果て。超クイズ力に狂わされるクイズ王の演技も凄かった。

映像は一昔前の某クイズ番組のものも相まって退廃さも狂気も倍増。

 

「グリムマン」

映像流れた瞬間「絶対かっこいいやつ!!」と思ったし、明転したら全身黒の服にサングラス。

まさに魅力的な出で立ちなのに敵を仕留めるやり口のギャップよ。

垣間見せる三枚目な仕草も込みで、榊原さんってやっぱり冴羽獠だと思う。

 

「蟹男」

イメージは映画「ハサミ男」。

出オチ?そんな訳ないのがギぎギのネタ。

カニだけに、な言葉や動き(もしかしてアドリブもあった?)で遊びながら観る側をミスリードして見事に裏切ってきた。

アフタートークでの榊原さん曰く

「最後に持ってくるくらいお気に入りのネタ」とのことだし、私も今回のネタで一番好きなネタだった。

映像の「お腹すいちゃった」も伏線だったのか!?

 

「トワイライトVII」

宇宙船の中で見つけた古いデータ(=5本のネタを含んだギぎギ単独公演)が終わりエピローグに入る。

そこで明かされる真実は「自作自演」と「裏切り」の集大成で、想像をはるかに超えていく終わり方、エンディング映像で胸を打たれた。

 

そんな素敵な単独公演が無料で観れた上に

YouTubeで何回も観れるなんて、なんてことするんだ。

https://youtu.be/ojvh_CStQiU

 

この公演もネットという膨大な宇宙のようなものに放たれたからには、宇宙ゴミにならず多くの人に目撃されますように…。